STAD言語障害スクリーニング スクリーニングに苦慮するすべての言語聴覚士へ

STADの研究|精度分析

テストを開発する際には、そのテスト精度分析として、「信頼性」と「妥当性」を有することが、必須です。よく、「あいつは信頼できるやつだ」というように用いられますが、心理測定学の中では信頼性・妥当性について、明確に規定されています。信頼性と妥当性の関係を説明する際には、弓からはなった矢が、的のどこを射抜くか?という例で例えられるのが有名です。

 

妥当性とは、矢の照準が的の真ん中に向かっているか?ということを意味します。妥当性が高ければ、照準が真ん中に向かっている、つまり、テストが目標とするものを測定している、ととらえる事ができ、低ければ、照準が外れていて、目標とするものを測定できていない、ということを意味します。
信頼性とは、矢が的の同じ場所を射抜いているか?つまり、結果は難度施行しても、一致しているか?ということを意味します。信頼性が高ければ、何度行っても、結果は一致して、信頼性が低ければ、テスト結果は難度施行しても一致しない、ということを意味します。

二重乖離の証明

高次脳機能の機能局在を証明する際には、病巣aでは症状Bが出ず症状Aが出る、病巣bでは症状Bが出て症状Aが出ない、このような二重乖離を認める場合に、症状Aと病巣a、症状Bと病巣bの対応を考えることができる。また、横軸に各々の症状を測定するテストAとテストBを示し、縦軸にその正答率を示すグラフを設定すると、二重乖離は、病巣aと病巣bの成績が交差する「×」の分布に現れる。逆に、本来二重乖離する症状に対してテスト成績が平行の関係の場合は、テストと症状との対応は考えられない。

失語・構音障害・高次脳機能障害は各々独立していると考えられるため、各2組の障害と2検査の間に二重乖離が認められれば、各検査と、評価の目的とする各症状との対応が示唆される。そこで今回は、STADの3検査のうち、各2組で二重乖離は成立するのか?という分析を施行した。

 

方法

 言語障害が疑われる45症例の急性期症例にSTADを施行した。対象の内訳は、脳梗塞27例、脳出血11例、SAH4例、その他3例。平均年齢62.7歳、初診時の意識レベルJCSⅡ桁0例、Ⅰ桁26例、清明19例、テスト施行時の平均発症後日数8日(1日~30日)であり、明らかな難聴例や、JCSⅡ桁以上の症例は除外した。テスト施行マニュアルと採点マニュアルを作成して、検査者間で施行方法や採点方法の統一をはかり、経験年数3年以上の4名のSTがテストを実施した。患者の臨床症状の観察や検査結果に基づき、失語症、構音障害、高次脳機能障害の有無を評価した。評価に当たっては、画像、SLTA、構音器官の検査、発話明瞭度、HDS-R、MMSE、Raven色彩マトリックス検査、コース立方体検査、WAIS-R、リバミード行動記憶検査やせん妄の有無等を総合して行った。

 

結果

結果の詳細は、今後学会や論文に明記すことを前提に、ここでは概要のみ記す。

失語症を認め高次脳機能障害を認めない症例群と、失語を認めず高次脳機能障害を認める症例群の、言語検査、非言語検査の成績を比較した。グラフ横軸に、言語検査、非言語検査を示し、縦軸に正答率を示すグラフに、両群をプロットした。失語を認め高次脳機能障害を認めない症例群では、不良な言語検査に比較して良好な非言語検査の傾向がみらた。失語を認めず高次脳機能障害を認める症例群では、良好な言語検査に対して低下する非言語検査の傾向がみられた。両症例群の平均を示すと、グラフ上×の二重乖離の傾向が確認された。

 横軸が言語検査と構音検査を示グラフに、失語症があり構音障害がない症例群の平均と、失語が無く構音障害がある症例群の平均を比較すると、こちらも×の、二重乖離の傾向が確認された。

 横軸が構音検査と非言語検査を示すグラフに、構音障害があり高次時脳機能障害が無い症例群と、構音障害が無く高次脳機能障害がある症例群の平均を比較すると、ややいびつであるが×の二重乖離の傾向が確認された。

✓理由

✓標準化

✓過程

✓精度


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荒木謙太郎氏インタビュー

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主な履歴

2016年6月

STADセミナー全国開催

 東京:6月26日

 被災地支援セミナー

 熊本:6月19日

 大阪:6月12日

 

2016年3月27日

STADセミナーⅡ(東京)開催

 

2016年2月21日

STADセミナー開催

東京国際フォーラム

 

2016年10月25日

STADセミナー開催

 

2015年8月8日

第18回認知神経心理研究会発表「A study of the ScreeningTest for Aphasia and Dysarthria(STAD)

 

2015年6月7日

母校のニュースレター執筆

「未来の言語聴覚士へ」

 

2015年4月30日

招待講演:第22回脳機能とリハビリテーション研究会「標準失語症検査(SLTA)の基礎と実践」

 

2015年3月25日

千葉大学大学院(修士課程)卒業

 

2014年11月22日

 

ASHA学会(フロリダ)発表

ASHA学会発表

2014年8月24日

第17回認知神経心理研究会発表(岡山)

 

2014年4月20日

第21回脳機能とリハビリテーション研究会学術集会「優秀発表賞受賞」

 

2013年3月10日

STADホームページ開設